細辛は成長のとても遅い植物なので、同じサイズの鉢で何年も持ちますが、
鉢の中を消毒するためと、土を入れ替えて鉢の中を新鮮に保つためにも入れ替えが必要です。
ペースは2~3年に一度で、主に秋に行います。
ただし、必要であれば、春先の葉が出る時期は避けてほとんど一年中入れ替えしても構いません。
今回、大鉢の寄せ植えの解体と株分けをしたので手順を記載します。
作業スペースと株分けする白雪(しらゆき)
用意するもの
鹿沼土(中粒)
赤玉土(中粒)
鹿沼土(小粒)と赤玉土(小粒)を4:6で混ぜ合わせたもの(黄色いタライの中)
消毒済の鉢
消毒済のさな(鉢底ネットでも可)
市販の消毒薬(バケツなどに準備しておく)
ピンセット
園芸用竹炭(あれば)
マグァンプ(あれば)
水を張ったバケツ(鉢がすっぽり入る深さの)
古い土を入れるタライ
手順
鉢をななめにして軽くたたきながら古い土を鉢から抜きます。
抜いた株。人工的に株分けする予定でしたが、鉢の中で勝手にセルフ株分けしてました。古い土の粒はピンセットで除去します。
抜いた株は消毒液につけます。葉っぱも全部浸して全部消毒します。
しばらく漬けっ放しでも大丈夫です。
消毒液を洗い流す必要もありません。
消毒済の鉢とさな(中に敷いてあるやつ)
鉢底ネットでも代用できますが、管理上うちではさなを使っています。
赤玉土中粒を軽く底に敷きます(さなのほとんどが隠れるくらい)
4号鉢で赤玉土中粒ですが、もっと小さい鉢の場合は、鹿沼土の中粒がおすすめです。
鹿沼土(小粒)と赤玉土(小粒)を4:6で混ぜたものを、赤玉土(中粒)がかくれるくらい入れます。
消毒済の株を入れます。
株を置く位置と高さを調整しながら、鹿沼土&赤玉土のブレンド土を足していきます。
根がまだ露出している段階で、竹炭とマグァンプを撒きます
どちらも必須ではないです
マグァンプはゆっくり効く科学肥料なので、この段階で撒くことで、
植え替えから一か月後の肥料が不要になります
土を足してから、鉢を軽く振ったりピンセットの背で軽く押したりしながら、さらに土を足します。
土は根と茎のさかい目まで入れてください。
花はさかい目に咲くので、土をかぶせすぎると土の中で花が咲いてしまいます。
土入れ完成!
出来上がった鉢を水の中に入れます。
しゅわ~と音を出しながら土の全てに水が染み込んでいきます。
この時、軽い鹿沼土の粒が浮きますが、流出していかないように注意です。
1分くらいしたら染み込みきるので、水から上げて完成です
同じ手順で、今度は大鉢の寄せ植えを解体します。
解体前。色んな品種が混ざっています
事前に鉢を消毒していない場合は、その場で消毒してもokです。(洗ってあるやつ)
水洗いも乾かすことも不要です。
内側だけで大丈夫です。
さなの消毒も忘れずに。
大鉢を開けてみてがっかり。予想以上に根っこがスカスカです。
急遽、他の大鉢も解体したら根っこの状態は同じような状態でした。
大鉢にたくさん寄せ植えすると、大きな株、小さな株、水をよく吸う株、あまり吸わない株と個体差により鉢の中が過水状態になるので、根腐れの原因になるのです。
鉢の数が多いので、世話の手間の関係で寄せ植えにしていましたが、本来はおすすめしません。
株の状態別に仕分けします。茎と葉が無くて根っこだけでも生きているものもあるので、古い鉢から出すときに土に混ざって捨ててしまわないように要注意です。
復活するかどうか不明な根っこ。とりあえず復活を信じてこの後植えてあげます。
また復活できる根っこ。芽が出る部分がある根っこは復活できます。
根っこが長いものは、鉢に入れるときに根っこの先を回し入れます。
根っこが中くらいのをまとめて少しの数で寄せ植えします。
特に根っこがひどいものは、浅めの鉢にまとめました。
根っこだけのもここに入れます。
根っこを丈夫にするには地植えがいいのですが、今回はまとめて手元に置きこまめに世話することにしました。
ほとんど根っこが無いものは水を含ませた水ゴケにくるんで植えます。
この鉢だけは、最後に水にドボンすると水ゴケが水を含みすぎるのでじょうろで水をやります。
株分けした白雪と大鉢から個別になったものの一部。
徒長したりと見栄えはあまりよくないものも混ざっていますが、冬を越え春になって新しい芽が出てこればいい見栄えに仕立て直せます。
今回株分けした白雪を月末の展示会に持っていく予定です。
最後に
育て方、植え替えの仕方などは人それぞれですし、生き物なので絶対的な正解はありませんが、我が家でずっとこのやり方で数千鉢の細辛を栽培し、新品種を作り出してきました。
細辛の植え替えが分からなくて困っている方がいらっしゃったら、この記事が参考になれば幸いです。
今回株分けの手順も載せるつもりでしたが、勝手に分かれていたので、そのうち記事にしたいと思います。