第53回古典園芸植物美術品評大会
に行ってきました
なんぞそれ?
という方のためにさらっと解説
毎年これくらいの時期にやる、細辛のコンテストと交換会(競り)です
主催は日本細辛連合会
細辛の銘鑑を作成している、品種管理団体です
会員が自慢の株を持ち寄ってその中から「こりゃあきれいに作っとるが。ようやっとるがね。いいがねいいがね♪」な株がいくつか選ばれます。その後は販売用の株(細辛・カンアオイ・山野草・他の古典園芸植物など色々)が競りによって新しい家へと旅立ちます
コンテストへの出品は会員のみ
足を運んだその場で年会費1000円で入会すれば出品できます(銘鑑もらえます)
競りへの参加は売る方は多分会員だけ
買う方は誰でも一見さんでもOKです
なんかすごい掘り出し物もあったみたいですぞ
知らないジャンルで分からなかったけど
基本、お得に買えるっぽい♪
では、せっかく色々写真撮ってきたので載せていきます
朝9:30
出品数に制限があるのでレギュラー選手とベンチ入りのみに絞りました
少しの荷物とたくさんのワクワクを載せて出発おしんこ~!
羽島到着
看板がかっこいいぜよ
左側の一列は品評会出品株の細辛
奥の一列は他の古典園芸等々
未登録品種は4品種
「こんなんできましたけど」
っていうお披露目的な感じです多分
4品種中、1つは無銘と書かれていて、いつの間にか机の下に。
残り3品種は全部うちからでした
未登録品種:螢雪(けいせつ)
ちょっとした遊び心がお分かりいただけるだろうか
2つあります
1つはのちほど
もう1つはラベルです
毛筆書きのいかにも和風なラベルも好きなんですけどね
この子にはそれよりも洋風かぶれの方が似合うかなと
海外の植物についている英語名や学名のラベル風にしてみました
伝統も大事にしつつ色んな飾り方をして楽しむのも「いとをかし」
きれいな字で書ければもっとかっこいいんだけど、そこはしゃーない。ムリなものはムリ(笑)
未登録品種:淡墨(うすずみ)
「あわすみ」ではないですよ
この先、似た品種の見分け方シリーズを始めたら桜グループ(夜桜やら○○桜ってつくやつ)にこの子も組み込もうと考えてます
未登録品種:白雪(しらゆき)
次の登録品種に一番近い子です
こういうタイプに興味ない方からすると「また白雪かよ」ってなるかもですが、
諦めてください
ブログヌシのお気に入りですから
左の葉の、葉形はともかく、このパリッとした切り斑、よだれもんです(出さんけど)
ちなみに、奥の葉が源平柄・源平模様といいます(アシュラ男爵的な?)
園芸JAPANという雑誌で、先月号の「逆芸」の回で解説しました
よかったら見てください
一生懸命書いてます
今は毎月斑芸の解説してます
それが終わって、編集長さんから戦力外通告されなかったら新章突入します
指定品種とは、
どういう風に選ばれるのかは知りませんが、「こういう品種、上手に作れたら持ってりゃあよ。そん中から選ばれるでな。」っていう品種です
賞決定前の他人様の株をどうどうとピンで撮るのもな~と思って、とりあえずうちからもってきた優宝(ゆうほう)
日月とめちゃそっくりな品種。違いを解説するために持ってきてついでに並べました(笑)
正直、納得の出来ではない(一番マシだったの)
登録品種なら何でもいいよのコーナー
に置いたやつ
老楽(おいらく)
ラベルに注目
ちょっとぶっ飛んでるかなと思いつつ、
でもパリコレに出てる服もぶっ飛んでるよねってことでやりました後悔はしていない
数あるプロジェクト(というほどのものでもないけど)の中の一つの施策です♪
ただ黒鉢には合わんわ・・・・・・
玉通(ぎょくつう)
玉通し(たまどおし)というあだ名もあります
明治1年に登録されたふる~い品種
そんなふる~い品種にあえてローマ字でラベルをつけました
あんまり違和感無いかな?
持って行ったけど、品種被り等で出場選手からもれたベンチウォーマーたち
お気に入りの株もありましたが、また次の機会に♪
そしていつの間にか始まっている審査
真剣に話し合ってます
審査員少なっ
部外者の私、ひまプ
審査員を撮ったり(メンバー変わってる!?)
展示品を撮ったり(明るさミスってました)
ついでにカメラで遊んでいる間に審査終了
受賞株が決まっていました
↓葵錦
↓老の友
↓天竜
会長賞が一番いい賞みたいです
↓螢雪
賞品は鉢です(株の向こうに映ってるやつ)
あと、食器洗剤が全部の株に置いてあったからほぼ参加賞???
上の方で書いた、螢雪ちゃんにほどこした遊び心の件
後回しにしたもう一つは鉢です
実は大会の案内には「鉢は黒鉢以上」という規定があります
細辛は床の間などに飾る生きた美術品であり生きた装飾品です。きれいな株に作ることはもちろん、鉢も空間を装飾する物としてちゃんとした鉢に入れるべきです
そういう意味合いでも展示には黒鉢(写真によく映ってる黒いやつ)以上が求められるのです
100均の汚れたプラ鉢やペラペラのビニールポットじゃあダメなんです
TPOに合った正装ってのがあって、細辛の展示会ではその正装の最低ラインが黒鉢ということです
展示品の写真でも(露出ミスって見づらいけど)大半は黒鉢です
残りもプラではなくちゃんと焼き物の鉢に入れてありました(汚れはともかく)
うちの螢雪以外は(笑)
この螢雪ちゃんが入っている鉢、内緒だけど100均で2個100円でした(笑)
雑に扱っているわけでもなく、いい加減な気持ちで展示したわけでもなく、この鉢は私のお気に入りです(値段は関係ない)
なおかつ、このデザインが絶対に螢雪に似合うという確固たる信念の元、あえてこの50円の鉢のまま持っていきました
一応これでも細辛は伝統ある園芸植物です。そこに誇りはありますし、伝統は守り続けるべきものという考えも持っています
一方、これから色々な人に細辛を知ってもらいたいという部分で伝統のみにこだわらず、園芸植物細辛の新しいあり方を模索する中で、こういう鉢での楽しみ方もあるという提案の一つとしてあえて持っていきました
まあ、簡単にいえば、「日本人だからみんな和服で」ではなく、「ドレスの方が似合う日本人ならドレスを着ればいいじゃない」な感じです
そのドレスが虫食いだったりシミやほつれだらけだったら「ちょ、待てよ」になるけど、きれいなドレスを着ることで魅せることができるならそれはそれで面白いのではないかと
まあ、伝統を軽んじる一面もあるので、ラベルも含めてダメ出しされるだろうなと思ってましたが、特に反応は無かった・・・かな?
「ラベルが読めんのだけど(困惑)」って言われたくらいかも(笑)
読みやすさよりも「ちょっと読みにくい感じ」目指して書いたなんてことは秘密
↓展示はしなかった株たち
せっかくラベル書いたので帰ってから一人展示会
↓御所桜
↓福姫(戦利品で紹介した、春河との違い分かりますか?)
↓老の友(書体がお気に入り)
ただ、この模様で黒鉢でローマ字ラベルはイマイチ似合わない
ラベルの書き方1つでかっこいい・ダサいがずいぶん変わってくるのでどれをどうするか結構迷いました
6月の展示会が私にとってのメインイベントなので、もっと色々試してみます
ラベルや鉢選びも含め今絶賛準備中です
うちからの販売株は少ないけど持ってはいく予定です
品評会には適さない一枚葉の新品種や品種不明の美人さんたちも連れていくのでお楽しみに
では、品評会の報告に戻ります
展示室とは別の部屋がにぎわっています
この後ここで表彰式と、みんな大好きハンティングのお時間がやってきます
左側は連合会会長です
賞状を受け取っているのはうちの父
細辛狂いの祖父に小さい頃から手伝わされt・・・英才教育を施されてきました
細辛の歩くデータバンクです
で、いよいよこれから狩り(競り)の時間です
部屋の奥の方には競りに出される植物たちがごさっと置いてあります
見るのは自由なので、始まる前に見ておいて何があるのかどれを狙うのか心の中で決めておきます。席が遠いと競りの時には見えにくいし、なかなか近くまでは見に行きにくいので下調べは大事です。
ライバルが多ければ値段は上がっていきますが、ライバルが少なければお値打ち価格で手に入ることも!!
待機中の植物たち
近くでじっくりチェックするチャンスタイムです
買う側の参加の仕方はとても簡単
写真左の方、机のところにいる人たちに「参加したいで札ちょーよ」と言うとでっかい番号札をくれます
で、紙を渡されるのでそこに名前を書きます
その紙と番号札は連動しているので、競りで落としたらその紙に何をいくらで落としたかが書かれます
その紙を返したらなるべく近くの席を確保して戦いが始まるのを静かに待ちます(好きに動いてOK)
番号札をもらっておかないと競りには参加できないのでお気を付けを
狙った獲物が出てきたら、アンコ(司会者の事)が「ホップ〇〇円」みたいな言い方をするのでそれが最初の設定価格です
ホップステップジャーンプ♪からきてるのかなぁと勝手に想像(ホップじゃなくてポップかもしれんけど)
追加:ホップではなく発句だと教えていただきました。どうりで、競りに使う言葉にしてはやたらかわいいなと(笑)
設定価格が言われたら臆することなくアンコに聞こえるように金額を言います
値段の上げ方はご自由に
例えば
1000円スタートで、1200円にしてもいいし、一気に5000円とかにしてもOK
他に誰もいなかったら1200円や5000円で落とせます
ここで注意なのが、自分が言った金額より上の金額を誰も言わなかった場合、そのままの金額が支払い額です
ヤフオクに慣れてる方はこの辺り違うので気を付けたほうがいいかも
じわじわ上げていって低価格でのゲットや他の人との駆け引きを楽しむもよし、一気に釣りあげて独り勝ちドヤァするのもよし
ただしテンポが速いのでサクサク金額言わないと悩んでる間に決まっちゃいます
ハマると楽しい競りです(ハマりすぎ危険)
落とした時の勝利感は半端ない
ただし自分の財布とはきちんと相談しましょう
全ての競りが終わったら、番号札と財布を持って机のところにできる列に並びます
紙に書かれている内容が合っているか確認してその金額を支払います
きちんと対価を支払ったら終戦です
めでたく新しい家族が増えました
存分にかわいがってやってください
ちなみに支払わずにバックれは無理です
今は名前だけの幽霊副会長の父曰く
「そのまま帰っても電話するでな。逃げれんよ。」
とのことです
まあ、居ないとは思いますが
今回の戦利品の紹介
まだ集めてんのかよと思われそうですが
ただの愛好家ですからね
欲しいやつは欲しいさ~~~
狩り(競り)の味も覚えてしまったし
奥の左から、辨天・雷雲・天竜(昇龍と書いてあるけど間違い。昇龍はお髭がある。天竜は葉の周りに斑が集まって覆輪みたいになるのが本芸。この株もちゃんとそんな感じになってます)一番右は葵錦
手前の左から、春河(福姫に比べてちんまい下がり藤が個性)・大斑泰山・金舞鶴
なんと7品種中5品種(辨天と雷雲は違う)が我が家の出身でした
同じ家の中で育った、私のブラザーみたいなものです(全く覚えてないけど)
はからずも集団里帰りしてきました
ご飯いっぱいもらってたっぽい子もいるけど、これからは我が家のルールで生活してもらいます
最後に次回のご案内
ちなみに岐阜県です
岐阜県ってどこら辺?って方向けに・・・
外国人旅行者が首都東京から観光名所の京都へ新幹線で向かおうとして、スルーされる大都市名古屋の名古屋駅(あるあるらしい)の次の駅が岐阜羽島駅です
会場はその近く(ただし徒歩で行くなら年齢と季節によっては行き倒れます多分)
大会無しの交換会だけの時にどれくらい細辛が出るかは分かりませんが、予定が入らなければなるべく遊びに行くつもりです