登録年:昭和16年
葉形:卵形、表面は平坦
葉肉の厚い毛葉
葉色:深緑
斑芸:蝶(中・薄緑)、谷(細・白緑)、下がり藤(長・中・若緑・淡)、霰斑(若緑)、胡麻斑(薄緑)、砂子斑(薄緑)、浅斑(浅緑)
斑芸変化:上作・下作の差
上作時は蝶が連結二重蝶となる
襟合せ:深い
斑芸変化
↓二重蝶と葉縁に斑が連なる状態
完全な連結二重蝶とは言えないが、近くなっている
↓入らないはずの髭が入って、しかも亀甲になりそうな段髭になり、逆にはっきり出るはずの下がり藤がごく薄く葉のほとんどを覆うくらい巨大化
本芸とはかけ離れた姿に
はっきりと二重蝶にもなっているので、本芸そのものといえるのは谷だけ
芸のみでいえば一応上芸なのだが、上作とも言いにくい、なんとも微妙な姿になった
ラベルをつけて毎年芸も確認しているので福姫だとすんなり受け入れられたが、そうでなければこの状態で品種を確認するのは至難の業
ただし今年だけの一時的なものなので、次の年にはまた元に戻るはず
似た品種
辨天(蝶・谷・下がり藤・斑)
見分けるコツとしては辨天は福姫より下がり藤が大きいが鮮明に出ない
斑そのものも福姫ほど鮮明にならず、葉全体的に暗い印象になる
春河(蝶・谷・下がり藤)
福姫の下がり藤は葉先近くまで伸び面積が広いが、春河の下がり藤は福姫に比べて短く、形が悪く雑
福姫と春河は下がり藤の出来で判断する。ただしどちらも多少の変化はするので複数の葉や年をまたいで出来を確認するのがおすすめ
ややこしい品種
福娘(斑・蝶・下がり藤)
古い寒葵と細辛の資料に福姫と書いてルビが「ふくむすめ」になっているものがあるが、写真は福娘。福娘(と書いてふくひめ)も福姫(と書いてふくむすめ)も存在しない
福娘と福姫の大きな違いは谷の有無
名前も似ているのでややこしいが、「姫」はただの「娘」よりもランクが上(一芸多い)と覚えると覚えやすいかも
同芸の斑もの
吉野桜(斑・蝶・谷・下がり藤、斑もの)
煌滄(逆芸・斑もの、斑・蝶・谷・下がり藤)
吉野桜と煌滄はどちらも斑・蝶・谷・下がり藤で構成されている(煌滄の谷は少し特殊)
文字だけで斑芸を説明すると福姫とほぼ同じになる
同じ斑芸でもここまで見た目は変わる