古典園芸植物 細辛の世界

四代続けて細辛の栽培、品種作出をやっています。細辛の未来を危惧して、途絶えさせないためにも品種の紹介や栽培方法の情報放出をしていこうと思います。

品種紹介-新品種・未登録品種

月光殿(げっこうでん) Gekkouden

↑ ↓ 砂子斑の出が甘い ↓上芸状態 霰斑のあちこちに大量の砂子斑が入っている 作出:昭和56年 葉形:卵形、表面はひねる 葉肉の厚い毛葉 葉色:暗緑色 斑芸:玉(大・薄緑)、霰斑(薄緑)、切り斑(薄緑)、流れ斑(薄緑)、砂子斑(暗緑色) 斑芸変化:霰斑…

吉祥天(きっしょうてん) Kisshoten

↓峰・ノリが消え、襟合わせも(本芸に比べ)悪い状態 平成3年 命名 葉形:円形、表面はひねる 葉肉の厚い毛葉 葉色:暗緑色 斑芸:亀甲(密・薄緑)、蝶(中・若緑)、谷(普通・薄緑) 峰(薄)、ノリ(淡) 斑芸変化:ノリの濃淡 特記:ノリがあるために亀…

玉龍(ぎょくりゅう) Gyokuryuu

↓ 冠白として栽培中、上芸を認識し始めた頃の写真 ↓ 手前の葉は玉龍だが、他の二枚が冠白の芸 なのでまだ玉龍とは呼べない 本芸の葉が全て玉龍の芸になる株になれば玉龍と呼べる(出世魚みたいなもの) 一度玉龍の芸になった株は冠白に落ちることはまず無い…

大幸(たいこう) Taikou

昭和53年 作出 葉形:丸形、表面は傘形 葉肉の厚い絹葉 葉色:並緑 斑芸:玉(大・白)、葉脈亀甲 特記:玉の中に亀甲が必ず入る 最中の月に似る 最中の月にも亀甲が入ることがあるが、こちらは「必ず・くっきり」入る 襟合せ:深い

淡墨(うすずみ) Usuzumi

2023.3 斑芸の「下がり藤」が抜けていたので追加しました 昭和50年 作出 発生親:泰山雪 葉形:卵形、葉縁下方へ反る 葉肉の厚い毛葉 葉色:若緑色(逆芸) 斑芸:峰、下がり藤、霰斑(暗緑色)、流れ斑(暗緑色)、切り斑(暗緑色)、浅斑(薄緑)、要斑(…

吉法師(きちほうし) Kichihoushi

↓最も良く斑が出ている状態 二重蝶にもなっている ↓葉脈髭が亀甲状へと変化(継続はしない) 発生親:玉冠(実生) 葉形:楕円形、葉縁下方に下がる 葉肉の厚い毛葉 葉色:深緑 斑芸:蝶(中・浅緑)、谷(中・浅緑)、玉(大・薄緑)、髭(葉脈)、霰斑(若…

蘇玉(そぎょく) Sogyoku

葉形:円形、葉縁下方へ反る 葉肉の厚い毛葉 葉色:暗緑色 斑芸:峰(薄緑)、霰斑(薄緑・若緑)、胡麻斑(薄緑)、砂子斑(薄緑)、切り斑(薄緑)、流れ斑(若緑)、浅斑(若緑) 斑芸変化:上作になると峰が玉になる 特記:胡麻斑と浅斑が集合して霰斑を…

唐牡丹(からぼたん) Kara-Botan

↓段髭が出現している状態 ↓右の葉は葉脈髭が亀甲状にくっきり出現している (左の葉にもうっすらと) 次の年もちろん普通状態に戻りました 葉形:楕円形、葉縁下方へ反る 葉肉の厚い毛葉 葉色:鉄色 斑芸:谷(太・薄緑)、峰(白緑)、髭(葉脈・緑) 斑芸…

織姫(おりひめ) Orihime

↑芸が甘い(下がり藤の鮮明さ・蝶) 葉形:卵形、葉縁下方へ反る 葉肉の厚い毛葉 葉色:深緑 斑芸:二重蝶(大・白緑)、谷(中・白緑・枝谷)、髭(葉脈)、下がり藤(大・若緑) 襟合せ:極深い

折鶴天司(おりづるてんし) Orizuru-Tenshi

昭和55年 作出 葉形:卵形、葉縁下がり垂れる 葉肉の薄い絹葉 葉色:緑青色(ろくしょうしょく) 斑芸:二重蝶(大・浅緑)、谷(中・薄緑)、玉(中・白緑) 特記:玉は薄い 葉全体に波があり、成葉になると葉縁が妻折傘(つまおりがさ)状になるときもある…

月の川(つきのかわ) Tsuki-No-Kawa

葉形:楕円形、表面は平坦 葉肉の厚い毛葉 葉色:千歳緑 斑芸:下がり藤(長・狭・薄緑)、霰斑(薄緑)、胡麻斑(薄緑)、切り斑(薄緑)、流れ斑(薄緑) 特記:わずかな霰斑と数多い胡麻斑がある 襟合せ:深い

太閤錦(たいこうにしき) Taikou-Nishiki

写真が1枚間違っていたので削除しました ↓ 蝶が非常に大きく出現している 葉形:円形、葉縁下方へ反る 葉肉の厚い毛葉 葉色:深緑 斑芸:連結二重蝶(大・若緑)、谷(太・薄緑)、髭(薄緑)、霰斑(若緑)、胡麻斑(若緑)、砂子斑(若緑)、切り斑(若緑…

高楼の宴(こうろうのうたげ) Kourou-No-Utage

2022/12 斑芸の欄で「蝶」が抜けていたので訂正しました 葉形:卵形。葉縁は下方へ反る 葉肉の厚い毛葉 葉色:鉄色 斑芸:蝶(中・若緑)、谷(太・若緑)、下がり藤(長・広)、髭(葉脈)、霰斑(若緑)、胡麻斑(若緑)、切り斑(若緑)、流れ斑(若緑) …

鶴と亀(つるとかめ) Tsuru-To-Kame

葉形:楕円形。表面は平坦 葉肉の厚い輝葉 葉色:鉄色 斑芸:蝶(細・長・千歳緑色)、谷(細)、髭(緑青色の葉脈髭)、亀甲(葉脈) 特記:亀甲が凹凸になる 襟合せ:深い。下反り。襟部に波 平らな表面に浮かび上がる細かい亀甲の打ち出しが立体感を出し…

宇宙(うちゅう) Utyuu

昭和62年 作出 葉形:卵形。表面は平坦 葉肉の厚い毛葉 葉色:暗緑色 斑芸:玉(大・薄緑)、霰斑(白緑色)、切り斑(白緑色) 特記:葉の外側に斑が集まり覆輪模様に見えることがある(白緑色) 襟合わせ:深い。上反り

羅陵王(らりょうおう) Raryou-Ou

↑大きな霰斑が洩れ斑として出現 数年ごとに現れる 葉形:卵形。葉の縁が下方へ反る 葉肉の厚い毛葉 葉色:緑青色(ろくしょうしょく) 斑芸:亀甲(葉脈・黄亀甲)、霰斑(薄緑)、胡麻斑(薄緑)、砂子斑(緑青色)、切り斑(薄緑) 斑芸変化:霰斑の大小(…

瑞王鶴(ずいおうかく) Zuioukaku

斑が多く入り、白い覆輪に見える 葉形:楕円形。表面にひねりが入る 葉肉の厚い毛葉 葉色:深緑 斑芸:下がり藤(長・中・浅緑・極薄い)、霰斑(薄緑色)、胡麻斑(薄緑色)、砂子斑(薄緑色)、切り斑(薄緑色)、流れ斑(薄緑色) 特記:霰斑・胡麻斑が切…

天女の舞(てんにょのまい) Tennyo-No-Mai

天女の舞(獅子) 葉がうねり、獅子の角のような形になる(極まれに出現) 葉形:卵形。表面は平坦。葉先は下方へ垂れる 葉肉の厚い毛葉 葉色:鉄色 斑芸:二重蝶(大・若緑)、連結二重蝶、下がり藤(長・中)、霰斑(若緑・千草色)、胡麻斑(若緑・千草色…

翠峰(すいほう) Suihou

葉形:中形の卵形葉。表面はひねる 葉肉の厚い毛葉 葉色:暗緑色 斑芸:玉(中・白緑)、下がり藤(長・狭・深緑)、霰斑(薄緑色)、胡麻斑(薄緑・緑)、切り斑(薄緑色)、流れ斑(薄緑色) 特記:霰斑の中に胡麻斑がある 下がり藤は極めて薄い 襟合わせ…

緑冠(りょくかん) Ryokukan

葉形:中形の楕円形葉。表面は平坦 葉肉の厚い毛葉 葉色:鉄色 斑芸:玉(大・山葵色)、霰斑(若緑)、胡麻斑(若緑)、砂子斑(若緑)、切り斑(若緑)、流れ斑(若緑) 斑芸変化:霰斑の多い少ない 特記:霰斑・胡麻斑・砂子斑が切り斑のため、斑に冴えが…

華心(かしん) Kashin

↓ 地色よりも薄い色の斑の方が面積が多い逆芸状態 年によって極太い髭が出ることがある 発生親:夜桜(斑変わり) 葉形:中形の楕円形葉、表面は平坦 葉肉の厚い毛葉 葉色:深緑色 斑芸:蝶(中・若緑)、谷(太・薄緑)、髭(葉脈) 霰斑(山葵色)、切り斑…

安土の誉(あづちのほまれ) Azuchi-No-Homare

↓他の品種と並ぶとその地色の濃さがより浮き彫りになる 昭和55年 作出 葉形:円形。葉縁は下方へ反る 葉肉の厚い絹葉 葉色:褐返し(かちがえし) 斑芸:二重蝶(大・若緑)、谷(太・薄緑)、胡麻斑(薄緑)、砂子斑(薄緑)、切り斑(薄緑)、浅斑(浅緑)…

朧月(おぼろづき)  Oborozuki

葉形:円形。表面は平坦 葉肉の厚い毛葉 葉色:灰緑 斑芸:玉(小・若緑)、砂子斑(薄緑) 特記:砂子斑が全面に密集している 襟合わせ:深い 玉っぽくない不思議な形の玉がおもしろい品種です 2019/9/2 名前付きました 朧月(おぼろづき)です。 霞がかっ…

高千穂(たかちほ)  Takachiho

鍾馗(しょうき) Syouki

葉形:円形。表面は平坦 葉肉の厚い毛葉 葉色:藍鉄色 斑芸:亀甲(中密・白緑)、谷(薄緑) 特記:亀甲・谷ともに非常に太く、一部がノリを引いているように見える 襟合わせ:深い 鍾馗(しょうき)とは中国の神様です 日本でも厄除けや学業成就で端午の節…

令和錦(れいわにしき) Reiwa-Nishiki

↓芸が最も良く出ている状態 斑芸:緑の亀甲、蝶、亀甲の間に打ち出し(盛り上がったように見えるもの) 繊細な薄い緑の霰斑(あられふ)の中に地色の砂子斑が密に入る 葵錦に匹敵する銘品 100年に一度の模様です まだ数株しかなく、流通もさせていませんが、…

不知火(しらぬい)Shiranui 黒牡丹(こくぼたん)との比較

葉形:卵形。葉縁は下方へ反る 葉肉の厚い輝葉 葉色:深緑色 斑芸:霰斑(浅緑色)、胡麻斑(浅緑色)、砂子斑(浅緑色)、切り斑(浅緑色)、流れ斑(浅緑色) 斑芸変化:霰斑の多い少ない 特記:霰斑・胡麻斑が切り斑・流れ斑となり葉の縁を主として点在す…

雪橋の地合違い 五三の宝(ごさんのたから) Gosan-No-Takara

葉形:円形。やや下方にそる 葉肉の厚い輝葉 葉色:暗緑色 斑芸:蝶(小・常盤色)、谷(太・緑)、髭(葉脈・緑) 斑芸変化:作により段髭となる(めったにない) 襟合わせ:極深い。襟部に少しの波 同じ斑芸の品種に雪橋(せっきょう)という古い品種があ…

玉御陵(たまごりょう) Tama-Goryou

葉形:円形。表面は平坦 葉肉の厚い毛葉 葉色:濃い緑 斑芸:峰(白っぽい緑)、亀甲(紺亀甲・地色)、霰斑(白緑)、胡麻斑(白緑)、砂子斑(白緑) 斑芸変化:峰の大きさ(良作は峰が玉になる) 特記:地色の亀甲が峰の周りに浮かび上がる 襟合せ:浅い …

ささめ雪(ささめゆき) Sasameyuki

葉形:中形の長楕円形。表面はひねる 葉肉の厚い毛葉 葉色:濃い緑 斑芸:亀甲(紺亀甲・地色)、霰斑(千歳緑)、胡麻斑(千歳緑)、砂子斑(千歳緑) 特記:葉脈に沿って千歳緑の砂子斑が集まり、緑の亀甲を作る 地色の部分にも胡麻斑が点在する 襟合わせ…