古典園芸植物 細辛の世界

四代続けて細辛の栽培、品種作出をやっています。細辛の未来を危惧して、途絶えさせないためにも品種の紹介や栽培方法の情報放出をしていこうと思います。

新葉がボコボコ。ホコリダニ?

まずはこちらをご覧ください

去年の5月の上旬くらいに撮った写真です

本来なら展開したてで、一年で一番きれいな状態のはずですが、見た目はまるで去年の古葉です(この時期にはもう古葉は全部切り落とし終わっている)

表側は委縮しボコボコになって色合いも悪くなり、裏側も薄汚れています

 

異常に気が付いたのは、新芽が展開し始めて少したってからでした

でも、その時は数も少なく、そこまでひどくなく、ご近所さん同士固まって異常があったので、局地的に日光強かったか?くらいにしか思っていませんでした

 

5月に入り、そろそろ展示会に連れてく子でも決めるか~なんて、じっくり観察しにいくと

なんということでしょう

 

気のせいでは済まないほどにボコボコになり、今まで無事だったエリアもボコボコが現れているではありませんか

(この時点が上の方の写真です)

こんなことは今まで無く、対処もできないまま日に日に悪化していく状態でした

 

そんなある日、ふと思い立って拡大鏡でガン見→何かワサワサ移動してる

→ダニじゃね?→ネットGO→似た症状発見

細辛と葉っぱのデザインだけはそっくりの赤の他人、シクラメンさん

そのシクラメンさんの葉っぱがボコボコしていて、ホコリダニが原因とのこと

さっそく葉っぱをマクロレンズで撮影してパソコンで拡大すると・・・

薄茶色の粒々と白い粒々がびっしりなのが見えるでしょうか

(顕微鏡の無い一般家庭の我が家ではこれが精いっぱいなのでお許しを)

形までは分からないですがホコリダニ的なものとみて間違いないかと思われます

何ホコリダニかまでは分かりませんが

ちなみに、「新芽につく&奇形葉になる・肉眼で見えない」のでハダニではなさそう

 

↓これは2021年の春に撮影

何枚かの葉っぱがシャープペンの先でチクチクとつついたような凹みがいくつもできていました

当時はこれ以上広がることも悪化することもなく秋までこのままでしたが、今思うともしかしたらこれもホコリダニの影響だったかもしれません

(去年は何も無し)


犯人はダニーだと確信を持ったところで

あわてて殺ダニ剤を購入

武器はコロマイト乳剤・アーリーセーフ・モレスタンにしてみました

ここ見に来る方は園芸ガチ勢しかいらっしゃらないだろうと思うので薬剤解説は割愛します

 

まず一発目に一番強そうなコロマイト乳剤を1500倍で

たっぷり時間をかけ(ダニへの)殺意もたっぷり込めて、症状の無い株も含め全ての株に、噴霧器で表から裏からまんべんなく徹底的に散布

 

「駆逐してやる! 一匹残らず!!」

そんな想いが通じたのか(否、薬の効果)

一気に症状の進行が止まりました

しかもごく軽傷の葉っぱはじわじわとボコボコがうすくなっていきます

この一回でほとんど殲滅できた感じでしたが、展示会に一匹でも連れて行ったらまずいので、念のため日にちをあけてモレスタン(1000倍)とアーリーセーフ(600倍)を一回ずつ散布

(展示会には無症状&散布済みの株しか連れて行っていません。ご安心を)

 

ボコボコがひどく見るに堪えない葉っぱは散布後に切り落としたら、知らん間に(夏前には)しれっと新しい葉っぱを繰り出してました

秋葉扱いなので、展示や撮影できるような美葉っぱではありませんが

それでもつるりとした健康美人葉っぱで、まるでダニ事件なんて無かったかのよう

 

圧倒的勝利を感じつつも、念のため月一回アーリーセーフを散布してみる

(真夏は夕方やってくださいましね。 ヤクガイ コワイ)

それから秋を越えて冬

今はもうダニ事件の痕跡は全くありません

 

去年の展示会ではボコボコのせいでどうしても連れていけないなど、散々な目にあったので今年はきっちり対策していきます

むしろ今までダニの害なんてなかったのに

夏くらいにたまに赤ダニが通りかかるくらいでした(害があるのか知らんけど)

 

防除といえばせいぜい植え替え時に殺菌剤に漬け込むか、冬にオルトラン(白)を撒くくらいしかやってなくても問題無かったのですが・・・・・・

気候の変化と共に環境も変化して必要な対策も変わってきてるんですかね・・・

 

とりあえず、新芽伸び伸び期が来る前には一回目の散布を予定しています

多分またブログで様子を記事にすると思います

 

 

P.S. 薬剤の適用作物に関しては細辛は絶対に載っていないので、濃度も含め自己責任で選び使っています

我が家の環境では薬害は出ていませんが、100%大丈夫とも言い切れないことをご了承ください