古典園芸植物 細辛の世界

四代続けて細辛の栽培、品種作出をやっています。細辛の未来を危惧して、途絶えさせないためにも品種の紹介や栽培方法の情報放出をしていこうと思います。

2019-08-10から1日間の記事一覧

令和錦(れいわにしき) Reiwa-Nishiki

↓芸が最も良く出ている状態 斑芸:緑の亀甲、蝶、亀甲の間に打ち出し(盛り上がったように見えるもの) 繊細な薄い緑の霰斑(あられふ)の中に地色の砂子斑が密に入る 葵錦に匹敵する銘品 100年に一度の模様です まだ数株しかなく、流通もさせていませんが、…

不知火(しらぬい)Shiranui 黒牡丹(こくぼたん)との比較

葉形:卵形。葉縁は下方へ反る 葉肉の厚い輝葉 葉色:深緑色 斑芸:霰斑(浅緑色)、胡麻斑(浅緑色)、砂子斑(浅緑色)、切り斑(浅緑色)、流れ斑(浅緑色) 斑芸変化:霰斑の多い少ない 特記:霰斑・胡麻斑が切り斑・流れ斑となり葉の縁を主として点在す…

斑芸の解説②(地色、逆芸、のり、無地、昼夜)

地色と逆芸 のり 無地 地色と逆芸 地色とは基となる色のことです この葉では蝶と谷の薄い緑を抜いたまわりの濃い緑の色が地色です 品種によって広い・狭いがあり、色の濃さも品種によって違いがあります 斑芸がたくさんあるほど、地色の範囲はもちろん狭くな…

明星(みょうじょう) Myoujyou

登場年:1942年(昭和17年) 葉形:大型の楕円形葉。葉縁が下方へ反る 葉肉の薄い絹葉 葉色:暗緑色 斑芸:霰斑(灰緑)、胡麻斑(灰緑)、切り斑(灰緑)、流れ斑(灰緑)、浅斑(千歳緑) 特記:霰斑・胡麻斑が切り斑・流れ斑となる 全ての斑は点在してい…

雪橋の地合違い 五三の宝(ごさんのたから) Gosan-No-Takara

葉形:円形。やや下方にそる 葉肉の厚い輝葉 葉色:暗緑色 斑芸:蝶(小・常盤色)、谷(太・緑)、髭(葉脈・緑) 斑芸変化:作により段髭となる(めったにない) 襟合わせ:極深い。襟部に少しの波 同じ斑芸の品種に雪橋(せっきょう)という古い品種があ…

泰山雪(たいざんせつ) Taizansetsu

登場年:1898年(明治31年) 葉形:中形の卵形葉。表面は平坦 葉肉の厚い毛葉 葉色:暗緑色 斑芸:霰斑(薄緑)、胡麻斑(薄緑・暗緑色)、切り斑(薄緑)、流れ斑(薄緑)、浅斑(浅緑) 斑芸変化:斑の多少・斑の大小 特記:薄緑の霰斑が切り斑・流れ斑と…

錦松(にしきまつ) Nishikimatsu

秋の紅葉 登録年:1941年(昭和16年) 葉形:中形の楕円形葉。表面は平坦 葉肉の厚い毛葉 葉色:薄緑色(逆芸) 斑芸:霰斑(鉄色)、胡麻斑(薄緑・鉄色)、砂子斑(鉄色)、流れ斑(鉄色)、浅斑(若緑)、要斑(鉄色) 斑芸変化:緑斑の多い少ない 特記:…

細辛は観葉植物の中で多分一番地味かもしれないけど、地味ながらになかなか個性的

細辛は古典園芸植物とされていますが、 観葉植物のくくりが「葉を観て楽しむ」ので合っているのであれば 細辛も観葉植物の仲間に入れてもらってもいいのではと勝手に思っています だけど 他の観葉植物たちは面白い形や面白い模様など個性あふれていて、 どれ…

玉御陵(たまごりょう) Tama-Goryou

葉形:円形。表面は平坦 葉肉の厚い毛葉 葉色:濃い緑 斑芸:峰(白っぽい緑)、亀甲(紺亀甲・地色)、霰斑(白緑)、胡麻斑(白緑)、砂子斑(白緑) 斑芸変化:峰の大きさ(良作は峰が玉になる) 特記:地色の亀甲が峰の周りに浮かび上がる 襟合せ:浅い …

ささめ雪(ささめゆき) Sasameyuki

葉形:中形の長楕円形。表面はひねる 葉肉の厚い毛葉 葉色:濃い緑 斑芸:亀甲(紺亀甲・地色)、霰斑(千歳緑)、胡麻斑(千歳緑)、砂子斑(千歳緑) 特記:葉脈に沿って千歳緑の砂子斑が集まり、緑の亀甲を作る 地色の部分にも胡麻斑が点在する 襟合わせ…

細辛の地植え

弱った細辛の株を地植えしてます 鉢という狭い中よりも、 やっぱり大地に根を張った方が生き物にはいいんですね 地植えすることで弱った株が健康になります もちろん昼のうちは日光から守るために日よけは欠かせません ただし、葉は虫に食われたり泥で汚れた…