地色と逆芸
地色とは基となる色のことです
この葉では蝶と谷の薄い緑を抜いたまわりの濃い緑の色が地色です
品種によって広い・狭いがあり、色の濃さも品種によって違いがあります
斑芸がたくさんあるほど、地色の範囲はもちろん狭くなります
逆芸とは斑芸よりも地色の方が薄いものをいいます
通常は、上の写真のように斑芸が薄い緑、地色が濃い緑ですが
この写真のように地色が薄い緑で斑芸が濃い緑のものを逆芸といいます
のり
ノリとは霧がかかって斑が滲んだように見えづらくなっている状態のことです
観賞対象としてはサブ的な存在の芸です
色のついた紙にペンで線を描き、その上から液体のりを塗った状態を想像してください。のりがついた部分はうっすら白く変わりインクで描かれた線は滲むはずです。芸としてのノリもちょうどそんな感じです。
特に亀甲はノリの有無や濃淡に見た目が大きく影響され、品種によってノリの濃淡などは違います。ただし、ノリは年や葉によって濃淡が多少変化します。
↓ノリが濃く出ている状態
地色はノリがかかってほとんど白く変わっている
↓ノリはあるがかなり薄い状態
地色の緑がはっきり見える
ノリがかかると全体的にふんわりとした見た目になります
ノリが無い葉はくっきりとし、しまって見えます
無地
無地とはその名前の通り、葉に亀甲も斑もないことです
亀甲があるように見えますが、これは打ち出しといい、
葉脈がくぼみ葉肉が盛り上がって模様のように見えるもので、
模様として浮き出てはいないのでこれは無地となります
昼夜(ちゅうや)
細辛の葉裏は通常薄い緑ですが、一部の品種では葉裏が赤のような紫のような色になるものがあります。そのような表と裏の色が違う状態を昼夜、または赤系の色の場合は裏赤・裏紅といい一つの芸とみなされます。昼夜の品種は軸も赤軸もしくは半泥(完全な青軸ではない)ものがほとんどです(カンアオイでは他の色もあるようですがここでが細辛に限りの解説とさせていただきます)
昼夜になる品種例→緒房亀甲・迦陵頻・黒城(登録除外)・蜀光錦・夜光の斑
標準的な細辛の葉裏の色
蜀光錦
葉裏から見たところ
茄子紺色と表され、鮮やかな紫の中に図の白が透き通って見えています
葉裏の紅葉
細辛は秋になると葉裏もよく紅葉します。まるで昼夜芸のようにも見えるのでいくつか載せておきます