古典園芸植物 細辛の世界

四代続けて細辛の栽培、品種作出をやっています。細辛の未来を危惧して、途絶えさせないためにも品種の紹介や栽培方法の情報放出をしていこうと思います。

2019-08-21から1日間の記事一覧

細辛とは

細辛とは、葉の斑模様(ふもよう)、葉芸の変化を楽しむ観葉植物です。 野生種のカンアオイから、昔の愛好家が人工的に作り出した完全な人工種です。 庭園の下草や石垣・庭石に添えて植えられていることが多いのが野生種のカンアオイです。 一方、細辛は鉢植…

細辛の一年間の管理と維持

月 水やり(目安) 遮光 風通し 植え替え 月 1月 約10日に1回 50% 無し 〇 1月 2月 〃 〃 〃 ✖ 2月 3月 〃 〃 自然の微風 ✖ 3月 4月 約4日に1回 〃 〃 ✖ 4月 5月 〃 80% よくする 〇 5月 6月 約7日に1回 〃 〃 〇 6月 7月 〃 100% 〃 〇 7月…

細辛の葉がダメになっても根っこが生きていればまた復活する

細辛の葉は虫に食われて穴があいたり、じわじわと焦げたようになって みっともない状態になることがあります 特に、焦げたような状態は一部だけでは済まず、あっという間に葉全体を覆っていってしまいます 一株に何枚も葉があってそのうちの一枚だけとかなら…

正体不明の謎の株

何十年も細辛の栽培・作出をしている作出者にも分からない謎の株があります 葉が五枚ほどあって、それぞれ斑芸・形が全然違うんです 蝶が一重のもの・二重のもの、玉があるもの・ないもの、髭があるもの・ないもの、 てんでバラバラなんです この先何かの品…

高千穂(たかちほ)  Takachiho

皇陽(こうよう) Kouyou

2022/2 斑の色が地色と同じになっていたので訂正しました 登録年:昭和17年 葉形:大型の円形葉。表面は全体がやや傘形に下がる 葉肉の厚い毛葉 葉色:鉄色 斑芸:亀甲(粗・薄緑)、谷(太・薄緑)、霰斑(浅緑)、胡麻斑(浅緑)、流れ斑(浅緑)、浅斑(…

鍾馗(しょうき) Syouki

葉形:円形。表面は平坦 葉肉の厚い毛葉 葉色:藍鉄色 斑芸:亀甲(中密・白緑)、谷(薄緑) 特記:亀甲・谷ともに非常に太く、一部がノリを引いているように見える 襟合わせ:深い 鍾馗(しょうき)とは中国の神様です 日本でも厄除けや学業成就で端午の節…

白牡丹(はくぼたん) Haku-Botan

本来は金牡丹の株。右側が本芸で、左側が髭が足りなくて白牡丹ぽく見える 一時的な斑芸不足。下の葉はわき葉(できそこない) 登場年:1868年(明治元年) 葉形:中型の楕円形葉。葉縁は下方へ反る 葉肉の厚い毛葉 葉色:鉄色 斑芸:二重蝶(大・薄緑)、谷…

福恵比寿(ふくえびす) Fuku-Ebisu

↑ 注:植え方はおススメしません。根腐れします 登録年:昭和9年 葉形:中形の卵形葉。表面は平坦 葉肉の厚い輝葉 葉色:暗緑色 斑芸:亀甲(中密)、谷(細・松葉色) 襟合せ:深い 似た品種に福牡丹(ふくぼたん)があります 違いは福恵比寿のほうが地色が…

斑が美しい 老楽(おいらく) Oiraku

登場年:1931年(昭和6年) 葉形:中形の卵形葉。表面は平坦 葉肉の厚い毛葉 葉色:千歳緑 斑芸:亀甲(荒・白緑)、谷(中・白緑)、霰斑(白緑)、胡麻斑(白緑)、砂子斑(白緑)、流れ斑(白緑)、のり(年によって出る出ないあり) 斑芸変化:ノリの濃…