古典園芸植物 細辛の世界

四代続けて細辛の栽培、品種作出をやっています。細辛の未来を危惧して、途絶えさせないためにも品種の紹介や栽培方法の情報放出をしていこうと思います。

細辛の一年間の管理と維持

水やり(目安) 遮光 風通し 植え替え
1月 約10日に1回 50% 無し 1月
2月    〃 2月
3月    〃 自然の微風 3月
4月 約4日に1回 4月
5月    〃 80% よくする 5月
6月 約7日に1回 6月
7月    〃 100% 7月
8月    〃 8月
9月    〃 9月
10月 約10日に1回 80% 自然の微風 10月
11月    〃 50% 11月
12月    〃 無し

12月

 ※遮光について 下に別記あり

1月

 

細辛には大切な時期です

地下には新しい芽ができていて、3~4月にかけて伸びる為の準備をしています

葉は紅葉し、茶色く腐りかかっていますが、月の中頃か2月あたりで肥料を行い新芽の養分とします

肥料は固形の種かすをおすすめします

目安は5mmくらいの長さのものを3号に3個です

肥料は遅効性・即効性とありますが、どちらを使うにせよ、

2~3月のひげ根が出る時期に肥料が効くようにタイミングを合わせてください

水加減は、今までと同じでOKです

 

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2月

新葉が伸びてきたら醜い葉を取り除くのがおすすめです

古い葉がたくさんあると新しい葉が出てくるときに邪魔になってしまいます

ただ、元気のある葉やお気に入りの葉は残しておいても大丈夫です

逆に、最低一枚残しておいて、水やりの目安に利用します(ジョー判別法)

   (ジョー判別法の説明。かなり便利です)

葉を除いた後は土の乾燥が早いので、タイミングに気を付けてください

 

細辛たちは2月頃から葉っぱを育てるために水をたっぷり吸います

そのためにひげ根をたくさん伸ばします

なので、ひげ根と育ってくる葉を守るために2月~4月は植え替えをしないでください

葉が育ちきったらひげ根も自然と落ちるので、それからなら植え替えしてもOKです

 

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3月

そろそろ目覚めて、成長する時期です

気の早い株は大きくなるので水に注意

株によっては、葉が花に邪魔される事があるので、必要に応じて花を取り除くか花弁を取るかしてください

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4月

一段と葉が伸びてきます

充分成長した株は、水やりを通常に戻してください

成長中の株は水を続けます

成長しきるまではこの時期はどれだけ水をやっても問題ないです

あぶら虫などに気を付けてください

 

新葉でジョー判別法が使える株は、古い葉を取り除いてOKです

古い葉が新葉の形成を邪魔している場合、

新葉がゆがんで作られてしまうのでそういう場合は早めに取り除くのをおすすめします

 

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5月

古い葉をすべて取り除いてください

一年のうちで一番美しいのがこの月です

まだ成長中の株もあります

午後からの直射日光は禁物です

雨が当たるような場所に置いてある場合、雨が続いた時は葉水程度にしてください

年間を通して水やりの注意点としては、少なめな分には大丈夫ですが、やりすぎには注意です。根腐れを起こして株がダメになってしまいます

 

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6月

管理は5月と同様でよいです

梅雨時の水やりの管理に気を付けてください

この時期の注意は、虫の害です

ナメクジ・青虫等の食害、風通しの悪い場所のカイガラ虫・そしてハダニ等に気を付けてください

特にナメクジ・青虫に早々と葉を食われたら次の春まで楽しみはゼロです

麺の無いラーメンと同じです

 

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7月

日差しが強くなってきます

風通しをよくするのと直射日光に当てないよう気を付けてください

何かの都合で植え替えが必要な時は、根が乾かないように細心の注意をしてください

[外で管理している場合]

よく乾くときは、朝夕2回くらい潅水してください

熱い時間帯には水やりを控えてください

鉢の中で水がお湯になり株を弱らせてしまいます

また、過水状態になってしまいます

 

8月

乾きが早く忙しい時期です

室外の場合、気温が高くなり萎れているように見えてもすぐには潅水しないで、気温が下がってからにしてください

根腐れの原因になります

ひどく萎れた時は、涼しいところに置いてバケツ等に水を張り、鉢ごと沈めて鉢の温度を下げてあげてください

 

9月

月前半は、8月と同じでよいです

そろそろ植え替えの準備をして10月にそなえます

雪光殿以外はどんどん花がつき始めます。

この月に植え替えしても問題はありません

 

10月

植え替えに入ります

元気な株のうちに株分けをします(増やしたい場合)

寒さには強い植物なので外のままで大丈夫です

室内で管理している場合は、冬の外の寒さに当てると、春、芽が出てきます

逆に、寒さに当てないと芽が出てきません

乾きも遅くなり、水やりの回数も減ります

植え替えた時は水の乾きが早いので気を付けてください

植え替え時に肥料をやらなかった場合は、

1か月後くらいに肥料を与えて下さい

 

植え替えは2~3年に1度でよいです

成長の遅い植物なのでそうそう根詰まりは起こしませんが、

植え替えをすることで土を新鮮にし、一緒に消毒することで中の雑菌の繁殖をおさえます

使用する土は鹿沼土赤玉土を4:6で混ぜ合わせたものをおすすめします

ちなみに、植え替え・株分けは年中可能ですが、2・3・4月の葉が出る時期は避けてください

 

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11月

植え替えが終わり、冬眠期に入ります

水やりは少な目に

外置きの場合は北風が当たらないように囲ってあげてください

暖かくする必要はありません

霜で凍らないように気を付けてください

 

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12月

冬眠中なので、ツヤはなく、紅葉し、茶色くなり、醜いですが、紅葉しているということは、肥料がよく効いているということです

また、秋によく日に当てると紅葉します

ただ、もみじ等とは違いキレイではないので、紅葉させるメリットはありません

この時期、葉巻虫に気を付けてください

 

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 ・年間を通して強風、雨、雪、霜は避けてください

 雪に埋もれても平気な植物ですが、管理の面で雪は避けた方が楽です

・梅雨時期、長雨の時は水やりを減らしてください

・水やりは、場所・用土によって若干異なります。

 表面が乾いていても鉢の中は湿っているので慌てないでください

 細辛が吸い上げた分と、鉢から蒸発した水分を補充するくらいでよいです

 水やりの日数はあくまで目安です

 実際に土と株の状態を目で見てタイミングを決めてください

液肥を使うなら薄いものを2カ月に1度。多肥、多水には十分注意が必要です

・増殖には素焼き鉢が良いです

・100%遮光とは直射日光に当てないことです

 室内で管理する場合、普通に日陰に置けばOKです

 

最後に

月ごとに細かく書きましたが、とても管理のしやすい植物です

室内で他の観葉植物と共に育てていますが、こまめな水やりや日当たりを気にする必要もなく、また仕立て直しの必要もないので、一番手がかからないです

 

 

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