古典園芸植物 細辛の世界

四代続けて細辛の栽培、品種作出をやっています。細辛の未来を危惧して、途絶えさせないためにも品種の紹介や栽培方法の情報放出をしていこうと思います。

種まき開始!!

前回の記事で写真を載せた、五三の宝の花が・・・

黒くカリカリになりました・・・orz

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でもまだ試合は終わっちゃいない!!

こんなんでも種が回収できる可能性はあります

花が生きているうちは種も育ちます

花が焦げたら種の成長も止まります

焦げた時点であきらめる必要もないけど、様子見する必要もありません

(あまりに放っておくと種はひからびます)

 

なので、焦げた花を中心にそろそろ回収&種まきを開始していこうかと思います

 

[用意するもの]

セルトレーor鉢

硬質鹿沼土小粒

川砂

霧吹き

つまようじ

ピンセット

 

①種用のオフトゥンを作ります

(種まきに使う用土は人それぞれ。鹿沼土と川砂の組み合わせでなければならないわけではありません。何年も植え替えをしない方の鉢では、親株の元に実生の苗が生えてきていることもあるので、種用の土作りに正解は無いかと思われます)

 

↓盆栽用の鉢が余っているのでこれを使います

普通の鉢でもOKです

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鹿沼と川砂

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↓鉢底ネットの隙間から川砂が流れ出ないように鹿沼だけで蓋をして

一旦霧吹きで水をかけて土を固定させます

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↓再び鹿沼を散らして、霧吹きで水をかけて土を固定させます

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↓どの品種の種か分かるようにしたいので、株ごとに個室をご用意しました(手作り)

とりあえず25部屋

全部埋まるといいなぁ~

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↓ここからは本格的にオフトゥン作り

鹿沼土と川砂を1:1でブレンドします

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ブレンドしたものを敷いては霧吹きで固定させ敷いては固定させを繰り返します

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↓ここまで来たら表面は川砂だけの層を作ります

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↓表面を軽くならしてから再び霧吹きで固定させます

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これでオフトゥンの準備OK

 

ここからは種回収の様子を載せていきます

・五三の宝(8個回収)

パッと見種が無さそうに見えますが・・・

分解しまくった結果

なんとか種を回収できました

ただ、ほとんどが未熟な種です

とりあえず蒔きました

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・不知火(2個回収)

右側の白いのは鹿沼土です

ここからさらに分解

分解する前に花ごと指先でつぶしてみます

硬い感触が無くぺったんこになるものは種が入っていない

でも慣れるまではぺったんに感じても分解すると1個くらいは入っていたりもするので

分解大事

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・高千穂(4個回収)

ピンぼけしてますが・・・

こちらも種は未熟な感じ

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・吉法師(4個回収)

プリプリつやつやのいい種が入っていました

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種の出来不出来(ほとんどピンボケ写真です(>_<))

↓いい種

色が黒くてつやつやしていて、半面に栄養がつまった綿のような部分がくっついています(むいちゃう前の甘栗感)

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いまいち未熟な種

甘栗むいちゃいました感じの色だけど栄養がつまった部分はくっついています

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どんな種だと発芽しないのか・・・

それは

実は検証していないんです

 

今まで実生で品種作りをしていた時はたくさんの種をガッサー撒いていたのでどの種が発芽してどの種が発芽しないのかきちんとデータを残していませんでした

今年からはきちんとデータとして残していこうと思います

 

ついでに分解した、緑のままの花

まだ花は全く割れていません

↓煌滄

1個だけ入っていましたが、さすがにまだ全然出来上がっていませんでした

(とりあえず埋めとくけど)

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種を蒔く

いよいよ種を実際に蒔いていきます

この前に注意したいことは

種を乾かさない

です

回収から撒くまで時間があくなら、種に霧吹きで軽く水をかけておいてください

 

まずはつまようじで穴をあけます

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深さはだいたい5mmくらい

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穴の中に一つずつ種を落としたら軽く押し込んで川砂をかけます

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霧吹きで軽く水をかけたらラベルを差して出来上がり

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初日はとりあえず4部屋埋まりました

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管理場所は、直射日光に当てなければどこでも大丈夫

やわらかい日差しの下だろうが日陰だろうが・・・

ただ、発芽するまで乾かさないようにしてください

常に湿っている状態を保ちます

「濡れている」ではなく「湿っている」状態にします

霧吹きがおすすめです

 

あとは発芽まで首を長ーくして待ちます

だいぶ先ですが発芽したらまたアップします

 

他にも緑のままの花から半焦げ・全焦げまで色々あるので、ちまちまと回収していきます

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