古典園芸植物 細辛の世界

四代続けて細辛の栽培、品種作出をやっています。細辛の未来を危惧して、途絶えさせないためにも品種の紹介や栽培方法の情報放出をしていこうと思います。

葉の全体の形と葉先

2021/7 詳細な内容に訂正しました

 

葉の形態

葉の長さの事を言います。正式に分類されているわけではなく、昔から、長い・丸いと区別されてきました

長い葉よりも丸い葉の方が良しとされ、長い葉の事を昔は「鍬形(くわがた・農具のクワになぞらえて)と呼ばれていました

細辛研究会では便宜上、長い葉を長形葉もしくは楕円形葉、丸い葉を丸形葉もしくは円形葉と呼んでいます

↓長い葉

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↓丸い葉

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品種ごとの違いは多少あり、長い葉になりがちな品種。丸い葉になりがちな品種があります

ただ、品種の違い以上に葉ごと・株ごと・年ごとに大きく形が変わることがあります

ヒメカンアオイ系の品種が小さく丸い葉を出しますが、細辛全体としては丸く整った葉は圧倒的に少ないです

環境と形の因果関係は今のところ判明していません

長い・丸いだけでなく、もちろん中間の長さもあります

葉先の形によって、それぞれ昔から呼ばれている名前がついています

 

葉先の形態

三種類に分けられます

↓鋭形

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↓鈍形

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↓円形

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とがっているより丸い葉の方が良しとされます。こちらも品種ごとに形の傾向はありますが、必ずしも一定するものではありません

 

 

↓中間の長さで葉先は円形

この形のことを昔から小判形といわれる

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↓中間の長さで葉先は鋭形~鈍形

この形のことを昔から卵形といわれた

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葉の全体を意識するとき、より、〇に近い葉が美しいとされます

銘品たちは、襟合せが良いことはもちろん、長さはなるべく短く葉先もなるべく丸いことを求められます

長い葉で葉先がとがる事もありますが、例え良い模様が出たとしてもそれは銘品としては「物足りない出来」と見られます

 

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安土の誉(あづちのほまれ)

円形になりやすい品種ではありますが、特に丸い形に出来上がりました

ヒメカンアオイ系の品種ではないので偶然できた形です

 

イラストによる解説

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楕円形葉→長い&鋭形 

品種:瑞玉宝(ずいぎょくほう)

 

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卵形→中間の長さ&鈍形    

品種:朝陽(ちょうよう)

 

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円形葉&円形  

品種:摺墨(するすみ) 

   

※訂正前、葉の形と葉先の形は組み合わせが決まっていると書きましたが、これは間違いで、組み合わせは色々です

訂正してお詫び致します

 

 

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