古典園芸植物 細辛の世界

四代続けて細辛の栽培、品種作出をやっています。細辛の未来を危惧して、途絶えさせないためにも品種の紹介や栽培方法の情報放出をしていこうと思います。

品種の比較:蝶谷系

蝶谷系・・・蝶のみや谷のみからスタートしてオプション(斑芸)が追加されるごとにグレードアップしていくシリーズです

 

同じ斑芸でも出方や色、葉の質感、追加される斑芸などによって品種が変わったりもしますが、まずここではよく見かけ、間違いやすい4品種+おまけを比較していきます

 

①蝶+谷・・・谷間の雪

雪橋と間違えられることもありますが、雪橋は襟合せが極深くて地色も濃く重厚感があります(比較写真はまたそのうち)

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②蝶+谷+髭(各1本)・・・長良錦

ちょっと髭の出方が貧弱・・・それでも髭があることが必須条件

(一時的な作落ちやわき葉等のできそこないでない限り)

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③二重蝶+谷+髭(各1本)・・・白牡丹

二重蝶は必須条件(一時的な(略))

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④蝶+谷+段髭(各2本以上)・・・金牡丹

段髭であることが必須条件(一時的な(略))

まれに本気を出したときに金龍宝のようになるがまた戻ります

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⑤蝶もしくは二重蝶+谷+段髭・・・金龍宝

変化が激しい為、「これが本芸」というのが存在しない

ただ、基本的に毎年金牡丹の本芸以上が必須条件(一時的(略))

 

分かりやすい例が、

二重蝶+谷+段髭(これは髭が亀甲状までいっていますが)

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もしくは二重蝶でなくても代わりのオプションがつく

例)蝶+谷+段髭+玉

葉のほとんどを巨大な玉が覆っています

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今年の金龍宝はというと・・・

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二重蝶+段髭(葉脈髭・しょぼい)+おびただしい数の斑

でした

(去年の方が出来が良かったが写真残ってない)

 

展開の様子を見ていた頃は髭を見て「は?」とは思いましたが、しょぼいながらも金牡丹の本芸以上はキープ

簡単に金龍宝をまとめると、金牡丹の本気モードが金龍宝の平常運転です

 

金龍宝自体はあまり見かけないのですが、どこかで「うちの金牡丹、毎年やたら豪華なんだけど・・・」と言われながら金牡丹のラベルが刺さってる金龍宝が「うちのは金龍宝だったのか~」とちやほやされるようになればいいなと思います

 

最後に4品種、並べておきます(谷間の雪はプランターに入っているので並べられない)

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他のシリーズやもっと絶妙な見分け方など、比べるものはたくさんあるので、品種紹介が終わり次第(なんとか来年前半までには・・・)本格的に記事にしていく予定です

それまでに余裕があればちまちま書いていきます