古典園芸植物 細辛の世界

四代続けて細辛の栽培、品種作出をやっています。細辛の未来を危惧して、途絶えさせないためにも品種の紹介や栽培方法の情報放出をしていこうと思います。

日当たりは多すぎても少なすぎてもダメ

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書き忘れがあったので(日当たりが多すぎることの弊害)書き足したのと、玉霰の性質を書き足しました

 

他の植物同様、細辛も大事な時期に日当たりが少ないと徒長します

そして、当てすぎても葉が劣化していきます

 

難し・・・くはありません

そこを解説していきます

 

葉っぱの成長は2月後半くらいから5月くらいにかけて

3月に入る頃から鎧を抜け出し大抵の新芽は伸びてきます

伸び始めたら日当たりを気にしてください

当たり具合は

「午前中やわらかい日差しが入るところ」

「明るい日陰」

「レースのカーテン越しのやわらかい日差しが入るところ」

な感じです

 

他の植物でも同じように表現されているのをよく見ますがそれと同じととってもらってOKです

光には当てなければならない、でも強い光はNG(葉が傷む)

そんな感じです

また、光を当てすぎることで逆に軸が伸びない弊害が出てきます

あまりに伸びないと地面すれすれで葉が展開してしまい、立体感の無い美しくない姿になってしまいます

展示品としての理想は葉の長さ(縦)と軸の長さが同じとされています

見た目もそれが最も美しい姿となります

 

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玉霰軍団をVIP席(常に目が届き午前中最も光が当たる場所)にご案内しました

玉霰は他の品種に比べ徒長しやすい性質を持つため、より日当たりに気を配ります

 

ちなみにもう屋内でも屋外でもどちらでも構いません

 

 

どの品種でも葉っぱが完成しきってからでもまだ徒長する可能性はあるので、目安として、梅雨が明けるまでは光に当ててください(梅雨の間は大抵くもっているから)

梅雨があけてからの日差しは葉っぱには危険なので速やかに光から遠ざけてください

この頃からなら光に当てなくてももう徒長はしません

 

今まで色々な品種の写真を載せてきましたが、かなりの株が徒長しているのが気になった方もおられるかもしれません

これは、去年の春に急激に気温が上がったため、とりあえず葉っぱを守るのを優先して(この頃はブログ公開を考えていなかったので)株の見た目を気にせずに梅雨前に光の当たらないところへ避難させたからです

仕事があるため徒長防止だけに時間はさけず、徒長だらけという結果になりました

今年は株の見栄えも追及していこうかと思います

 

 

豆の中の豆知識

だいぶ昔の趣味者は見た目のきれいな株を作るために毎日毎日鉢の向きを変えてバランスよく陽が当たるようにしていたそうです

(昔は愛好家がもっと多くて活発に展示されていたのでそれに向けて)

個人で楽しむだけであればここまで手間をかける必要はありません

ただ、他の植物同様、気が向いたらいいのでたまには鉢の向きを変えてあげてください