古典園芸植物 細辛の世界

四代続けて細辛の栽培、品種作出をやっています。細辛の未来を危惧して、途絶えさせないためにも品種の紹介や栽培方法の情報放出をしていこうと思います。

株分け The Final

例としては少ないですが、割る場所を選ぶときの参考になればと思います

どうぞお納めを

 

↓去年の秋に根伏せした株たち

しょぼしょぼ根っこだったけどしっかり新しい根っこが増えています

一部、すでに花もつきました

根伏せでも株の状態が良ければ次の年には開花します

↓花は無いけど下の方からも芋吹きしているので、この長い芋を横にして植えれば芋吹きも新しい根っこも出てきやすくなるよとのことです

長いからといって間違っても芋の真ん中でぶった切ってはなりませぬ

上半分、根っこ無くなって召されます

↓これは一番新根の本数が少なかった子

この本数では花がつかないのも納得です(三本しかない)

↓根っこの長さは立派

 

ここから株分け

 

①よくあるV字

と見せかけてちょっとごちゃっとしたV字

ごちゃごちゃ感がどうしても写真で表現できないので、質より量で複数枚のせておきます

Vがうねうねしてるのと根っこがあちこちから四方八方に爆発してます

↓下の方に新芽もあるし、伸び伸び期に渋滞起こしそうなので株分けします

もちろん割るところの基本はVの字の一番谷底

ただ、これの場合Vの左右それぞれの地上部に差があるのでそこを考慮します

↓この写真で

左:小さな葉二枚、

右:中サイズの葉一枚、小さな葉一枚、花二つ

(見えている花は左ではなく右側のもの)

右側に根っこと芋を多く割り当てたいので、左側の斜面の途中で割ります

根っこが途切れている部分で割ったときに左右それぞれに根っこがどのくらいになるかを、割る前に指で分けて確認します

↓割りました

「あれ?」と思った方、するどい!

↓元々割る予定だった所が人差し指のところ

でもだいぶ谷底に近い所で割れました

まだパピコするときに(前記事もしくはここの一番下参照)うまく支えられない時があるため、意図しない所で割ってしまうことがあります

よっぽど変な所で割れたりとかしなければ大丈夫です

↓花がある側には芋も根っこもたっぷり残っているし、花が無い側もちょびっと根っこが増えてよかったね。くらいの扱いです

↓花が無い側にいた芋吹きさんの頭上もひらけました

 

②古芋取れちゃう?

これ見よがしにくっついている古芋のカタマリ

↓割るならここかな?と思いきや

↓一番右の段々から出芽しそうではありますが、出芽の可能性を上げるために上の方で割ります(指で示したところ)

上の段々の所からの方が芽が出やすい

↓割った後

↓上側

全体像の写真を見て分かる通り、ちょっと根っこのボリュームが不安な気もするので、大事な株なら割らずに残す方が安全かと思います

 

これで今シーズンの株分けは終わりです

植え替え・株分けは真冬でもOKです

植え替え中に根っこが乾燥しないように気を付けてください

もし時間がかかるようなら時々スプレーで根っこに水をかけてあげるといいです

冬の間にやれなかった場合、春に新芽が伸び始める頃からは絶対に植え替えは避けてください

新芽が伸びる時期に鉢からあけるのは株が生きるか死ぬかという緊急時のみです

春が進んで葉っぱがきちんと展開したらそれ以降は植え替えても大丈夫です

 

 

*パピコする→株分けで芋を割るときに、パピコや凍ったチューパットを割るようにぐねぐね→パキッ と割ること(もちろん正式名称ではない)